褒めると育つのウソ?ホント
褒めることが脚光を浴びています。
上司の皆さんも、褒めることを意識されている方も多いのではないでしょうか?
しかし、打たれ弱い社員・部下が増えた、「褒められて伸びるタイプですから!」と自分で言う勘違い社員・部下も中にはいると聞きます。
部下育成で、本当に褒めることは効果的なのでしょうか?
こんにちは。土元紀子です。
今回の記事「褒めると育つのウソ?ホント」では、今注目されている「褒める」部下育成について効果や知っておきたい点をまとめてみました。
褒めると育つ のウソ?ホント?
結論から言うと、ウソでもあり、ホントでもあります。
褒めることで、部下が良い影響を受け、育つ場合もあります。また、そのような場合だけではないことも、知っておいていただきたい点という意味で「ウソ」だと書かせていただきました。
まずは、褒めることでの良い影響(=ホント)から!
褒めると育つのホント
① モチベーションが上がる
褒められると、多くの人はモチベーションが上がります。
少し前のデータになりますが、サーベイリサーチセンターが調査した「ほめることが従業員のモチベーション向上に効果を与えるか」についてのアンケート調査結果によると、8割の人が「ほめられる」とやる気が高まるという結果が出ています。
※グラフは、マイナビニュースより引用
② 自信や挑戦につながる
部下が何かの仕事に成功し、褒められることで、自信につながり、次の仕事にも挑戦しようという人もいるかもしれません。
そうなると、褒められることで、部下は育ちます。
褒めると育つのウソ
褒めることで効果がある場合もあります。しかし、褒めることで以下のような可能性があることも、知っておいていただきたい点です。
① 褒められなければ、やる気を失う
褒められることに慣れてしまうと、どうなるでしょう?
おそらく、褒められること自体が目的になり、褒められなければやらない社員・部下や、褒められる仕事をしたがる社員・部下が育ちます。
褒めるのは、上司が良いと評価したことです。
部下の意識は、本来意識を向けて欲しい経営理念や方針、顧客ではなく、褒められる上司に向かいがちになります。
② 自覚が芽生えない
ある自動車学校で、これまでの指導教官が「怖い」というイメージを払拭し、生徒に入校してもらうために、何をやっても生徒を褒めるという所があるそうです。
自動車の運転実習で、「止まれ」で一旦停止しなくても、「左右はちゃんと見ていてよかったです」と言うケースがあると紹介されていました。
『「止まれ」は一旦停止しなければいけない』という自覚は育ちにくいです。その時は、厳しいことを言われなくて良いかもしれませんが、後で困るのは生徒です。
これは仕事でも同じです。何かミスをした時、褒めていては自覚が育ちません。自覚が無ければ、改善にはつながりにくいです。
以前のブログ「部下がミスした時こそ指導のチャンス!成長を促す効果的な叱り方」で部下がミスした時こそ、指導のチャンスだと書きました。
効果的に叱って、自覚を促し、行動の改善につなげることも、部下の成長には必要不可欠ではないでしょうか。
③ 粘りが育たない
褒めるのは、上司が良いと評価した時です。
でも、仕事には失敗するとき、うまくいかない時、壁だと感じる時など困難なことにぶつかる事があります。
褒める状況ではない時こそ、困難を乗り越えて、次に進もうとする力は必要です。褒めるばかりでは粘りは育ちません。
④ 褒め方次第でマイナスになる
褒める側が「褒めて相手を動かそう(おだてる)」と思っていると、相手はどこかでそのことをキャッチして、「何か思惑があるんじゃないの?」「どうせ動かそうとしているんでしょ?」と見破られてしまいます。
尊敬している人からの褒め言葉や本当にそう思って伝える言葉は、素直に受け取れる場合もありますが、受け取りにくい場合もあります。残念ながら褒めるも万能ではありません。
まとめ
褒めて育てることが主流になっている今こそ、知っておいていただきたい褒めることのウソホントをまとめてみました。
- 本当にそう思った時には、褒める!
- 指導する時、叱る時に褒めるは不要!
- 相手を動かそうとおだてていないか?言葉の意図を意識しよう。
褒めるも部下を育てる関わりの一つです。
効果的に褒めて、部下の自信や挑戦につなげたり、部下の頑張りを認めたいですね。
「効果的な部下の褒め方・認め方(仮タイトル)」を次の機会に書こうと思います。