女性活躍推進に必須!女性社員・女性部下へのキャリア構築支援のポイント
こんにちは。土元紀子です。
平成28年4月(2016年4月)から女性活躍推進法が施行されて、2年が過ぎました。
これからは女性も長期的にキャリアを構築する時代です。
今日は、女性部下のキャリアを支援する時のポイントについて書きたいと思います。
キャリアを描きづらい女性たち
上司は、部下のキャリア構築を支援していく姿勢が求められます。しかし、女性のキャリア構築には、まだまだハードルの多いのも事実です。
女性は以下の要因や傾向がある場合が多いため、考えにくいのです。
- 結婚、出産、育児、介護など計画を立てにくい要素がキャリア構築に大きく影響しやすい
- 長期的に考えることが難しい(短期思考的)傾向にある
- ロールモデルが少ないため、想像が難しい
なぜ、部下のキャリアを描く必要があるのか?
人によって、どうキャリアを築いていくかの考え方は様々です。長期的なことは考えず、流れのままに、という方もいらっしゃいます。
しかし、分からないなりにも、社員や部下が自分のキャリアを考える(キャリアデザインといいます)ことは重要です。
なぜなら、個人でみれば、将来こんな風になりたいという目指す姿がある方が、何かあっても乗り越えようと思う気持ちが高まりますし、この仕事には意味があると思えることで、やりがいや成長を感じられるでしょう。
会社としてみれば、社員や部下のキャリアの志向を把握しておくことで、長期的な人材の活用計画が立てやすくなります。将来会社の必要な人材を適正、希望を見ながら、計画的に育てていく事もしやすくなるからです。
長期的な視点と、今できることの視点をプラスする支援
自分の将来のキャリアを考える時、自分の現状や将来の可能性について、本人が広い視点をもって考えにくいことも多いです。
日々接する上司の関わりによって、将来の可能性を拡げ、長期的にキャリアを構築していく意欲を育てていただきたいです。
女性部下へのキャリア支援のポイントをまとめてみました。
◆続けて欲しいという期待を示す
「この職場で、続けていくのは会社からも求められていないし、無理」と諦めて、退職するケースをたくさん見てきました。
これからは人材の争奪戦です。潤沢に採用できるわけではありません。せっかく経験を積んだ女性社員が、ライフイベントで離職するのは、会社にとっても損失です。
もし、ライフイベント前の女性社員が離職する職場なら、「続けて欲しい」というメッセージを示すことが大切です。
会社側から出来ることとして、「出産育児・介護をしながら働くための法律」や「社内制度」の説明や、経営者からのメッセージの発信などがあるでしょう。
日々接する上司からは、将来への期待を示したり、応援する姿勢を示すなど、「続けてもいいんだ」と感じられる働きかけをしていきたいものです。
◆どんな事をやっていきたいのかを考えさせる
「将来、子供が出来ても、両立して働きたい」出産をこれから迎える女性が口にする言葉です。それは、長期的にキャリアを継続したい思いの表れなので、尊重していただきたいです。
でも、この「両立すること」「両立できること」がゴールになってしまうと、
- 両立ができそうな職場を追い求める
- 将来両立できなくなってしまうのは困るので、力を十分に発揮しない
- 両立するうちに、「なんのために私はこんな大変な思いをして仕事をしているのか」と意味、意義を見出せなくなり、離職してしまう
など、
目標や、目指す姿に向かって、仕事に対するモチベーションを保ち、粘り強く主体的に取組むことには、つながりにくくなります。
大切なことは、「何がしたいのか」「組織の中のどの部分で自分の力を発揮していきたいのか」だと思うのです。
ライフイベントはあくまで途中の通過点にすぎません。
「で、どんなことで力を発揮していく?」という方にも意識を向け、それを実現するために支援する姿勢を示していくことで、応援してもらっているという安心感が生まれるのはないでしょうか。
◆長期的な視点での選択肢を示す
ライフイベントにより、不本意な仕事を担当せざるを得なくなる場合があります。その時、本人は今の時期は仕方がないと思いつつも、「なんのためにこの会社に入ったのか」とモチベーションが下がってしまうことが少なくありません。
不本意な仕事かもしれない仕事が、将来にどんな意味があるのか、この先にはどんな選択肢があるのか、可能性を拡げて示すことで、あれが出来ない、これも出来ないと視野が狭くなっている部下の将来に光をともせるのではないでしょうか。
◆今できる事は何かを考えさせる
将来を考えることは必要ですが、先のことは誰にも分かりません。
不確実な将来のことを考えて不安になるのではなく、自分が納得できるキャリアを築くために、今できることに目を向ける事が必要です。
「なりたい自分に近づくために、今のあなたが出来ることは何?」
足元を固める質問を投げかけてみるのも一つの方法です。
まとめ
ハードルの多い女性のキャリア構築には、上司の支援は大きな力となります。
部下が仕事や組織の中で希望が持てるよう、未来を一緒に描ける上司が増えるよう願っています。