現場の上司は何に悩んでいる?
検索キーワードに見える現場上司の悩み
経営者や人事の方なら、現場の上司が何に困っているのかを知ることは大切ではないでしょうか。そこに手を入れることができたら、効果的に施策を行い、人材を育成し、強い組織を実現していくことができるからです。
以下の順位をご覧ください。
- ミスが多い部下
- 何度も同じミスをする部下
- ミスを繰り返す部下
- 部下 ミス 指導
- 同じ失敗を繰り返す 部下
- 同じミスを繰り返す 直し方
- ミスの多い部下 指導
- 部下の失敗
- 部下 叱り方 同じミス
- ミスばかりする部下
この順位は、ホームページに訪問してくださるきっかけとなる「検索キーワードトップ10」です。このホームページは人材育成に関する研修紹介のほか、ブログなどでも情報を発信しています。このホームページに訪問してくださる方々は、経営者や人事に関わる方、現場の上司の方々など、人材育成に関する情報を求めて訪問してくださいます。
ここには10位までを挙げましたが、それ以降も、20位までを見ても、キーワード1つの例外を除き、ミスが多い部下の指導に関する言葉が並びます。 その他には、「心を閉ざした部下」「部下 何も言わなくなった」「できる部下 怖い」「”部下” “退職” “手遅れ”」などが入りますが、上司がいかに部下のミスに悩んでいるかが分かります。これらの検索キーワードの傾向は、テレワークが広まった新型コロナウィルスの後でも変わりません。
モチベーションダウン、パワハラを招く?現場の対応
インターネットで検索キーワードを入れ、検索する。ミスを繰り返す部下に対して悩むということは、何とかしたいと思っているからです。指導することをあきらめていたら、悩むこともありませんし、検索することもありません。
しかし、実際にどんな対応をとっているでしょう?叱り方研修の現場でお聞きすると、こんな対応をとっているケースが多くあります。
1.放置する
自分もミスするから人のこと言えない・・・、関係が悪くなると仕事がしにくくなる・・・パワーハラスメントだと言われるかも・・・などの理由で、指導をためらう場合です。1回目ならともかく何度も同じようなミスを繰り返す部下に、「次から気を付けて~」というのも、放置に近い骨抜き指導な感じがします。放置というと言葉は強いですが、結果的に放置するとどうなるでしょう? 部下には自覚が芽生えず、いつまでたっても同じミスを繰り返すでしょう。逆に、期待されていないと感じ、モチベーションを下げてしまう部下もいるかもしれません。
そして、上司の方も、何も言わない⇒何も言わない⇒何も言わない⇒見るに見かねてドカン!感情爆発 これが一番問題です。
2.褒める
褒めて育てることが注目され、「ほめる⇒叱る⇒ほめる」というサンドイッチ話法で叱ると良いと実践されている方もいます。しかし、部下本人は、上司から「褒められる」と、次何か言われるのかな・・・と思いますし、叱った後に褒めると、叱った内容まで薄らいでしまいます。叱る場面でわざわざ褒める必要はありません。
3.有効でない叱り方(怒る、説教する)
パワーハラスメントに対する意識が高まり、人格否定や「辞めろ」などの脅しを含めて「怒って」感情をぶつけることは、少なくなったかもしれません。
しかし、やってしまいがちなのが、理詰めで説教をすることです。上司が「正しいこと」をコンコンと説き、他者と比較したり、「あなたのために言ってるのよ」など言ったりすることがありますが、これが説教と受け取られてしまう可能性があります。
一見、冷静に叱っているので、有効な叱り方のように思うのですが、部下は間違っていることを突き付けられ、未熟さを見せつけられ自己否定がおこります。部下は、自信を失い、モチベーションを下げてしまいます。そして、パワーハラスメントだと受け取られてしまう可能性もあります。
現場の上司に身につけてほしいのは、叱る目的と正しい叱り方
じゃ、どうやって指導したらいいんだ?という声が聞こえてきそうです。
そうなのです。
正しい指導(=叱り方)を知っている人は少ないのです。ですから、現場の上司も悩むのです。
なんとかしたいと思っているのに、部下に届いていないとしたら
せっかく時間をとって部下を指導しているのに、パワーハラスメントだと受け取られてしまったら
部下、上司双方にとってプラスではありません。組織にとってマイナスです。
叱る目的は、相手が冷静に「今」の自分を自覚し、方向性を間違わず、主体的に行動を改善することです。
人間関係を破壊するものでものでもなく、部下の成長に向けて支援する関わりなのです。課題があるとすれば、その叱り方なのです。
- ダメなものはダメと毅然と伝える「厳しい力」を持つ
- 改善策を部下から引き出す
- 克服するために期限を決めて伴走する
現場の上司には、有効なかかわり方を知り、ここぞというときには、自信を持って指導できるようになってほしいものです。