【本の紹介】「レジリエンス」の鍛え方(久世浩司)
【ビジネス・人生の成功にかかわる「レジリエンス」って?】
人材輩出工場であるP&G出身の久世浩司氏が『「レジリエンス」の鍛え方』と題し、「レジリエンス」を養う7つの技術について解説する一冊。
この本の紹介文
「成果を挙げ続けられる人と、そうでない人と何が違うのだろうか?」
と思った経験はないでしょうか?
本書は、世界のエリートたちが成果をあげ続けるために必要な能力は、学歴やIQではなく「レジリエンス」と提議し、「レジリエンス」を鍛えるための七つの技術について解説する一冊です。
いわゆる「仕事ができる」は、「頭の良いのだろう」や「能力が高いのだろう」という私たちの思いこみを、良い意味で覆してくれます。
ビジネスエリートが持つ共通点に、失敗から立ち直り逆境を乗り越えて成長する「レジリエンス」があるというのです。そして、「レジリエンス」が今の日本には必要だと説きます。 なぜなら、今の日本は、「無理!」と言い訳して、挑戦や困難から逃げている(行動回避している)と筆者は感じているからです。
しかし、「レジリエンス」は、挑戦する時に感じる「怖れ、不安、心配」といったネガティブな感情は悪で、「ポジティブシンキングになるべきだ」ということではありません。 問題は、ネガティブな感情に支配されて、あきらめてしまうことだと。
そして、そのためには、誰にとっても嫌で、避けたい、でも人生にはつきものの「失敗」について理解する必要があると。
「レジリエンス」には、3つのステージがあり、各ステージに必要な技術として7つ紹介されています。
新しい自分に変わる一歩を踏み出すために、「レジリエンス」を高めるスキルを体系的に教えてくれる一冊です。
本書で紹介される「レジリエンス」を鍛える7つの技術で、新しい自分へ踏み出しましょう。
世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方
本がわかる!15の要約ポイント
レジリエンスとは 「逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」(アメリカ心理学会の説明より)のこと。
ビジネスエリートが持つ共通点に、失敗から立ち直り逆境を乗り越えて成長するレジリエンスがある。
■レジリエンスが必要とされる三つの理由
①現代社会の「こころの健康」の問題
②急速にグローバル化していること
③どう働くべきか迷っている人が増えていること
失敗を怖れて行動回避する癖を直し、失敗をして落ち込んだ気持ちから抜け出し、そこから目標に向かって前に進むことのできる力、それがレジリエンスです。
■レジリエンスには三つのステージがあります。
1.精神的な落ち込みから抜け出し、「底打ち」した段階
2.レジリエンス・マッスル(逆境を乗り越えて再起するための心理的筋肉)を使って、再起する段階
3.過去の逆境体験から一歩離れて、高い視点から俯瞰する段階
レジリエンスは「ポジティブ・シンキング」とは異なる。
■レジリエンスを鍛える三つの姿勢
・現実を直視する
・物事をしなやかに柔軟に捉える
・合理的な思考を持つ
失敗にも「良い失敗」と「悪い失敗」がある。「失敗体験」そのものを冷静に分析し理解することが肝要なのです。
■レジリエンスを養うの七つの技術
・第一の技術:ネガティブ感情の悪循環から脱出する四つの気晴らし
①運動系 ②音楽系 ③呼吸系 ④筆記系
・第二の技術:役に立たない「思いこみ」をてなずける
自分の思いこみのタイプを自覚し、三つの選択肢(追放、受容、訓練)から対処法を選ぶこと
・第三の技術:「やればできる!」という自己効力感を身につける
自己効力感は、①実体験 ②お手本 ③励まし ④ムード によって形成される
・第四の技術:自分の「強み」を活かす
強みを自己認識するツールは、①VIA-IS ②ストレングス・ファインダー ③Realize2 がある。「強みコーチング」を受けるのは有効
・第五の技術:こころの支えとなる「サポーター」づくり
平時のときに、自分にとって大切な五人を選らび「いざという時のサポーター」としてリストアップしておくことがおすすめ
・第六の技術:「感謝」のポジティブ感情を高める
感謝の感情は、ストレスを低減し抑うつや不安の徴候が下がることから、逆境を体験したつらい時期の立ち直りの方法として有効である
・第七の技術:痛い体験から意味を学ぶ
逆境体験には自分を成長させ、次の困難を乗り越えるための価値ある意味や知恵が隠されている。逆境物語を俯瞰して意味を探求することが有効である。
【実践】3個の行動ポイント
【1】失敗は3つ(①予防できる分類 ②避けられない失敗 ③知的な失敗)に分類して対処する
【2】イライラを感じたら、呼吸を正す
【3】励ましの言葉を贈る
ひと言まとめ
行動することで新しい自分に変わる
書籍情報
【書籍名】世界のエリートがIQ・学歴よりも重視!「レジリエンス」の鍛え方
【著者名】久世浩司
【出版社】実業之日本社
【出版日】2014/3/10
【頁 数】255頁
【目 次】
はじめに ~世界のエリートたちが成果をあげ続けるために必要な能力とは?~
序章 レジリエンスを学ぶ前に
Part1.レジリエンスとは何か
Part2.失敗を怖れないために失敗について理解する
第一章 第一の技術 ネガティブ感情の悪循環から脱出する!
第二章 第二の技術 役に立たない「思い込み」をてなずける
第三章 第三の技術 「やればできる!」という自信を科学的に身につける
第四章 第四の技術 自分の「強み」を活かす
第五章 第五の技術 こころの支えとなる「サポーター」をつくる
第六章 第六の技術 「感謝」のポジティブ感情を高める
第七章 第七の技術 痛い体験から意味を学ぶ
おわりに ~二〇二〇年に向けて新しいことに挑戦しよう~
世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方
※書評の書き方は、「Share読書.Com〜1400冊超のビジネス書評ブログ〜」のブログを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
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