【本の紹介】レジリエンスの教科書(カレン・ライビッチ、アンドリュー・シャテー)
【逆境を跳ね返す世界最強レジリエンストレーニングとは?】
アメリカで活躍する両氏が、「レジリエンスの強化書」と題し、レジリエンスの強度の現状把握と、レジリエンスを伸ばす7つのスキルを伝授する一冊。
この本の紹介文
あなたは、ものごとがうまくいかない時にどう乗り越えていますか?
本書は、逆境、困難、挫折、日常の煩わしさをうまく乗り越えるための力、レジリエンス(逆境力)を強化する7つのスキルについて徹底的に解説し、子育てや仕事への実践の仕方について紹介する一冊です。
どのような人生にも、必ず逆境や困難、問題はあります。
ちょうど荒波が襲ってくるように。
荒波をどうやったらうまく乗り越えられるのでしょうか?
そして、将来もしかしたら来るかもしれないより大きな荒波を乗り越えるために
どんな準備ができるのでしょうか?
この本は、人生の荒波ともいうべき、ものごとがうまくいかないときにはじっと耐え、適応するレジリエンスについて、
・今どれくらいレジリエンス度があるのか?
・どうやったらレジリエンスを高められるのか、7つスキルを実践的に解説
・実生活でどのように活用するのか、理解を助ける豊富な事例
について、網羅的に書かれている本で、読み応えがあります。
この本のスキルをいくつか実践することで、確実にレジリエンス力がアップし、より的確に私たちにおこる人生の課題に対応する力がつくと確信します。
本がわかる!15の要約ポイント
あなたに必要なものは、ものごとがうまくいかないときにはじっと耐え、適応する「レジリエンス(逆境力)」である。
50年以上におよぶ科学的研究により、レジリエンスが職場での成功や人生の満足度を決めるカギとなっている事実が力強く示されている。
レジリエンスとは、逆境に対する自分の考え方をどう変えるか、ということに尽きる。
逆境に遭遇したときにそれを克服し、乗り越え、立ち直らせる能力であるレジリエンスのレベルを決めるのは、あなたの思考スタイルなのだ。
2~3のスキルを習得した多くの人がレジリエンスに劇的な変化を見出している。
7つのレジリエンススキルを身につけることで、あなたが望むのであれば、自分にも周りにも働きかけることができる。
幼少期の環境が子どもの思考体系や能力を形成し、これらが大人になったも安定して残り続ける。
子ども時代の環境要因はいずれも過去のことだ。そうした要因は変えられるものではないが、思考は変えることができ、能力は高めることができる。
レジリエンスは56項目のレジリエンス指数(RQ)テストで測定できる。
RQテストでは、「感情調整力」「衝動調整力」「共感力」「楽観力」「原因分析力」「自己効力感」「リーチアウト力」というレジリエンスの本質となる7つの能力が測定できる。
レジリエンス研究には、「人生は変えられる」「思考を重視する」「適切な思考を導く」「人間の強みに意識を向ける」という原則がある。
■7つのレジリエンス・スキル
【自己発見スキル】
スキル1.自分をABC分析する
人の感情や行動(C)は、できごとや逆境(A)からではなく、できごとに対する個々人の解釈の仕方、思い込みや思考(B)によって生じる。
スキル2.思考のワナを避ける
思考のワナの特徴を知り、自分のティッカーテープ思考(頭の中をさっとよぎる思考)にどの思考のワナが存在するかを見極める。 スキル3.氷山を見つける
ABCについて書き出してみた後で、B-Cのつながりについてチェックしてみよう。「氷山(根底思考)をみつける」スキルを活用する必要性がある時は、自分自身に質問を問う。
【自己変革スキル】
スキル4.思い込みに挑む
逆境の原因に関する「なぜ」思考を変化させ、証拠に基づいた柔軟かつ正確な代替思考を導く。
スキル5.大局的にとらえる
未来の脅威に対する思考を変化させることで、あなたの不安レベルを管理可能なレベル、つまり現実の脅威の程度とより釣り合いの取れたレベルにまで引き下げる。
スキル6.心を静めてフォーカシングする
ストレスに襲われたときに、正確な思考を助けるために、心を静める3つのテクニックが有効だ。
スキル7.リアルタイム・レジリエンス
思考への反論を組み立てるのに役立つ3つの決め言葉がある。
■レジリエンスを阻害する8つの思考のワナ
1.早とちりする
2.トンネル視(視野狭窄)
3.拡大化と極小化
4.個人化
5.外面化
6.過剰一般化
7.マインドリーディング(思考察知)
8.感情の理屈づけ
カップルの間で生じる問題には「解決可能な問題」と「終わりなき問題」があり、後者は「行き詰まり」状態をもたらす。
子どもにレジリエンスを教える際は、心構えとしての下準備、好奇心を教える、子どもに教えることの難しさを認めるという3つのポイントがある
レジリエン・スキルは、仕事上のストレスへの対応、障害となる企業風土への対処、仕事と家庭の両立などに有効活用できる。
どんな人生にもさまざまな紆余曲折がある。しかしレジリエンスを持っていれば、どんな障害に直面しても、力強く前進し、豊かな人生を作り上げることができる。
考え方を変えることで、人生は好転できるのだ。
【実践】3個の行動ポイント
【1】今自分は何を考えているか、言語化する
【2】自分の考えに反論してみる
【3】できる行動を1つ見つける
ひと言まとめ
正確な見方をする
書籍情報
【書籍名】レジリエンスの教科書
【著者名】カレン・ライビッチ、アンドリュー・シャテー
【訳者名】宇野カオリ
【出版社】草思社
【出版日】2015/6/3
【頁 数】381頁
【目 次】
イントロダクション
Part 1.変化に向き合う
Chapter 1.レジリエンスとは、何か?
Chapter 2.あなたのレジリエンス度は?
Chapter 3.レジリエンスの土台を築く
Part 2. 7つのスキルを身につける
Chapter 4. スキル1 自分をABC分析する
Chapter 5. スキル2 思考のワナを避ける
Chapter 6. スキル3 氷山をみつける<
Chapter 7. スキル4 思い込みに挑む
Chapter 8. スキル5 大局的にとらえる
Chapter 9. スキル6~7 速攻型:心を静め、瞬時に反応する
Part 3.レジリエンス・スキルを実践する
Chapter 10. 大切な人との関係をつなぐレジリエンス
Chapter 11. レジリエンスで子育てが楽になる
Chapter 12. 仕事に活かすレジリエンス
Chapter 13. レジリエントな人生を送るために
※書評の書き方は、「Share読書.Com〜1400冊超のビジネス書評ブログ〜」のブログを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
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